石巻・・・相澤さんの記事・・・「朝日新聞」より

2016-07-08 14:24:52 | 日記

UNITE  TOGETHERの支援先である「チームわたほい」の基地では、先月カメラマンの平井慶祐さんと希美枝さんの結婚式が開かれました。津波で何もかも無くなってしまった場所に、多くの人々の笑顔が見られたことは、既に「チームわたほい」のブログ等でご存知と思いますが、今回はその宴会の幹事役を務められた「海苔漁師」の相澤さんの記事が朝日新聞に掲載されましたので、ここにご紹介させて頂きます。

てんでんこ   海を取り戻す   亡き友へ

花嫁行列は、津波が家々をさらった辺りをゆっくり進んだ。6月11日、宮城県石巻市。新郎は大阪、新婦は東京から、ボランティアに来たまま居着いた2人である。野外の宴会場には、若手漁師でつくるフィッシャーマン・ジャパン「FJ」の面々が鮮魚を抱えてやってきた。花婿の平井慶祐「37」はFJのカメラマンなのだ。 1週間の予定で石巻に入った平井は、この日の宴で幹事役を務めたノリ漁師、相澤充「41」に会う。避難所のリーダーで高齢者や子供を励ましていた。写真家として心を引かれたが、実は相澤も心に傷を抱えていた。 激しい揺れの後、相澤が船を沖に出そうとしていると、親友のカキ漁師、南部和彦が駆けつけた。短い会話を交わした直後に2人を津波が襲い、親友は見えなくなった。  避難所で暮らしながら南部を捜し歩いた。「最後の服を知っているから」と、遺体安置所で働いた。もしやと携帯にもかけた。平井の写真集に、当時の苦悩が残る。 12年夏、友は隣の女川町で見つかった。享年39。悩んだ末にノリ養殖の再開を決めた頃だ。「迷うな、さっさとやれよ」と南部に背中を押された気がした。「よし、めちゃくちゃうまいノリを仏壇に上げてやる」 南部とは家族ぐるみの仲で、「子供のためにも漁業を格好良くしたい。ノリとカキで新しいもの作ろうや」と話してきた。相澤は仲間と、オリーブ油や唐辛子風味の「天まで届くおやつ海苔」をネットで売り出す。平井が紹介した切り絵作家が、包装用のイラストを描いてくれた。日の出の海に舟2艘、互いの漁師が手を振っている。沖に出る航路が同じだった相澤と南部の姿である。 ノリのほとんどは漁協に売るが、独自の商品開発が楽しくて仕方がない。商品には、復興の様子やノリの生育状況を記した手紙を添えて送る。これで文通が始まり、石巻まで訪ねてくれた顧客もいた。 「人とのつながりはやる気のもと、私を動かす乾電池みたいなものです」 漁師仲間が今春、頼んでいたカキのパウダーを試作品として持ってきた。「石巻と言えばカキとノリ」コラボ商品を夢見ていた親友の言葉を思い、新たな乾電池が補給された。「天まで届くおやつ海苔」に、大切な味が一つ加わる。

石巻の「チームわたほい」の遠藤さんは、この新聞記事に載った相澤さんとは2011年の東日本大震災で知り合う事となり、兄弟のような絆で結ばれる事となります。

あれから5年 被災者の心の中では、長かったのか、短かったのか・・・其々の想いがあるはずですが、津波という一瞬のうちに生死が分かれた出来事によって、「人として」心の底から繋がられた多くの人々が、たくましく元気に一歩づづ歩まれるためのお手伝いが少しでも出来たらなぁ~と、あらためて思いました。

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この記事に対するコメント

  • fusk 2016年7月10日00:25

    昨日、乃南アサの「一番長い夜に」を読んだとこでした。
    作者がたまたまその日仙台に行っていて。
    地震に遭遇、タクシーを乗り継いで東京に帰れたものの、後に残した人達のことを思うと、自分だけが助かったような罪悪感に近い、人々を残してきた悲しみのようなものに長い間とりつかれた話が書かれていて
    身につまされながら読んでいました。

  • sachiko 2016年7月8日23:18

    相澤さんの海苔のパッケージの切り絵の話. 忘れてはならない話ですね。かきとのコラボの海苔楽しみです。

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