あれから5年・・・

2016-03-11 23:19:53 | 日記

広がる海が青空に同化して、ただ穏やかに波打つ・・・そんな光景が一変して、平和な暮らしの家々に容赦もなく襲いかかる等、誰が想像し得たでしょう。被災した人たちは、「自然現象だったから仕方がない」、「みんなが同じように被害をこうむったのだから仕方がない」と、大きな声をあげるでもなく、悲しみと苦しみを自分の胸に押し込めて、多くを語らない。そんな人々にかける言葉が見つかりませんでした。薄っぺらな同情の言葉は、人を傷つける刃物のように思え、テレビなどで映し出されるアナウンサーの状況聞き取りは、乱暴な暴力のように思えたのは私だけだったとは思えません。 今日5年目を迎える被災地の状況をテレビでみるかぎり、復興は決して順調とは言えないのがよく解ります。復興支援の真似事しか出来ていない私にまで、「被災地はもう大分復興したのでしょう?」と尋ねる人が多くおられます。そんな時私は「きちんとしたデーター等私には解りませんが、土地のかさ上げはかなりのスピードでされていますよ」としか答えられません。昨年のハトムネツアーで訪れた「ミュゼ」の館長さんから次のような言葉を聞かされました。「急な階段を駆け上がるかのような復興には何らかの障害にぶち当たる事があるかもしれない。階段に設けられている「踊り場」は、上を見つつしっかりと下も振り返りながら安心・安全を見極める場所で、今はその踊り場にいる状況かもしれない。みんなで議論しつつ、たしかな復興がされるように見極めていきたい」という言葉でした。急ぎすぎてもいけないが、確かな希望に向ってしっかりと歩み続けて欲しいと願わざるをえません。震災後ほどなく出会わせて頂いた遠藤さんは「もう二度と自分の口から、幸せなどという言葉は出てこない・・・と思っていたのに、多くの人々の温かい思いやりに触れて、知らぬ間に「幸せだ」という言葉を使うようになってきました」と仰って、おもわずうれし涙を流してしまった私でした。たった一組のご夫婦と出会う事から始まったUNITE TOGETHERの活動、石巻と彦根という点と点が、いつしか線になり面となって繋がりました。多くの人々がこの活動に繋がってくださったお蔭で継続出来ている事に心からの感謝を申し上げます。あの災害は決して「過去の事」ではなく、何処にでも起こりうる事象であり、私達は多くの犠牲者によって学ばされた「無事というかけがいのない幸せ」をかみしめながら、一人ひとりが「ほんの少しでも出来る支援」を「出来る範囲で」「出来る限り」協力してゆければと心から思います。今日5年目を迎えたこの日にあらためて日頃の御協力への感謝と、更なる「想い」を頂けますことを心からお願いいたします。

UNITE  TOGETHER代表     夏原美智子

わたほい地蔵2       わたほい

この記事に対するコメント

  • 房子 2016年4月2日19:29

    夏原美智子様
    ご無沙汰しております。
    ブログを拝見してなつかしくコメントをしました。
    巴里の住人です。お元気の様子、嬉しく拝見しました。
    久しぶりに4月初旬に帰国します。
    私のブログ。光と影をおいかけて
    kiramekuhi.exblog.jp ご笑覧いただければ幸いです。

  • sachiko 2016年3月12日11:39

    ブログよませていただきました。ミュゼ の館長さんの言葉 が 心に残っています。

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